親子間売買

親子間売買とは

親子間売買（親族間売買）は読んで字のごとく親子または親族の間でする売買のことですが、仕組みや目的、手続き等一般的な売買と大きく異なり、簡単なように見えて実は複雑で大変難しい取引になります。
また親子間売買（親族間売買）をしたい方の理由は様々で、例えば親や兄弟と共同名義でローンを組んだものの実際は一人で支払いをしているため、名義を自己名義のみに変更したい場合もいわゆる親子間売買（親族間売買）にあたります（その親族から持分を買い取ることになるため）。住宅ローンの返済にお困りの方が親子間売買等を希望される場合の主な理由は引越しをしたくない、もしくは引越しが難しいなど、家の持ち主が変わっても住み続けることができる方法のうちの一つ（セール＆リースバック（売却後の借り戻し））であることです。

自宅に住み続けたい

住宅ローンの返済にお困りの方の多くは『自宅に住み続けたい』と希望されます。長年住んで愛着のある我が家を離れたくない、両親が高齢で引越しが難しい、子供の学校の都合がある、事業を営んでいるなどなど理由は様々ですが、滞納が続きご自宅が競売にかけられますと、たとえ引越しを拒んだとしても落札者には裁判所の引渡命令制度が準備されているため、比較的簡単に明け渡しの強制執行をすることができます。こうなってしまうと立退料や引越し費用を貰えること、また、将来的にお金を貯めて家を買い戻しすることもほぼ不可能になります。
競売を回避するための任意売却では一般の買い手を市場価格で探し、購入者が賃貸し、売主が引き続き住むセール＆リースバックという方法もありますが、これは買い手が親族（親・配偶者・兄弟・子）以外であるということを含め、親子間売買とは大きく事情が異なります。
ここでは住宅ローンの返済に困っている方からその子供が家を買い、親が子供から家を借りて住むという形態を親子間売買の代表例として使い、そのメリット・デメリットを通常のセール＆リースバックと比較しながらご説明します。
また、親子間売買の成功例などもご紹介しますので自宅に住み続ける方法の一つとしてしっかりご理解ください。

一般のセール&リースバックと比較した親子間売買のメリット・デメリット

なかなか簡単にはできない親子間売買

簡単にできそうでできないのが親子間売買です。デメリットでも書いておりますが、金融機関は親子間売買への融資にあまり積極的ではありません。また、親子間売買では通常の売買同様それぞれの金融機関の審査基準（借入をする方の年収・勤務先・勤続年数・物件の担保評価）をクリアしなければならないだけでなく、通常の売買よりも高いハードルを設けています。
ではなぜ金融機関は親子間売買に消極的なのでしょうか。
大きな理由として住宅ローンは一般的な融資に比べ、金利が安いことにより、親子間売買を隠れ蓑に安い金利でお金を借りて資金繰りをするなど、他の目的に使われる可能性が高いということがあげられます。融資をする側としては親子間であれば贈与などの方法で名義を変えることができるわけですからわざわざ売買をする必要性があるのかと思うはずです。また、売買価格が市場価格と乖離した売買になる可能性もあります。何千万という融資をする側にとっては担保の価値が正確なのか、資金がきちんと住宅ローンとして使われるのかということはとても重要な審査基準のうちの一つですから、消極的にならざるをえません。
親族間売買は上記のような理由で融資が付きにくいという側面を持っていますが、ネット等で「親子間売買」について調べ、仲介手数料や司法書士に支払う所有権移転登記費用などをもったいないと感じ、ご自分で銀行に相談に行き、断られるケースがあります。一度断られると半年間は信用情報に載ってしまいますから、断られた後にご相談に来られた場合、融資が付かない状態になっている可能性もありますのでお気を付けください。
ネット等で安易に入れた知識だけで取り組もうとされるのはお勧めできません。

親子間売買が難しい。だがそれでも自宅に住みたい。

親子間売買を成立させるために金融機関が融資に消極的な上記理由を踏まえ、融資を実行してもらうべく経験を生かしたアドバイスを行ったりサポートしたりさせていただいておりますが、それでも例えば買い手に十分な資力がなく（就職して間もない・年齢が若いなど）、親子間売買という理由以外の理由で不成立になってしまったりすることがあります。このような時に一般のセール＆リースバックを活用し、それでも住み続けたいという方のお手伝いをします。一般の投資家に買っていただき、賃借人として住み続け、将来的に買い手である子供の資力が十分になる可能性がある場合などは買い戻しのご相談ができる場合もあります。

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