任意売却用語辞典

任意売却に関する用語は、専門用語が多く意味が分かりにくい言葉も多いです。
任意売却や競売、不動産に関する専門的な用語や法律を、ご相談者さまにより身近に感じていただけるように用語辞典・wikiを作成しました。ぜひご活用ください。

任意売却(にんいばいきゃく)

不動産売却の方法の一種ですが、住宅ローンや借入金の返済が困難になった債務者が不動産を売却してもなお債務が残ってしまうという場合に債権者である金融機関との合意にもとづき、不動産価格以上の返済をせずに抵当権等の担保権の抹消を行う売却のことを指します。担保権者である債権者全員の同意が必要となるため、不動産会社や弁護士などが中心となり調整を行うことが多い取引です。
借金の返済を滞納していると担保権の実行により強制的に競売にかけられるのに対し、滞納している状態でも任意(所有者の意思)で売却をすることから任意売却と呼ばれます。

競売(けいばい)

債務者が債務を返済できない場合に、債権者が裁判所を通じて債務者の財産(不動産)を競りにかけ、最高価格の申出人に対して売却し、その売却代金によって弁済を受ける制度のことです。抵当権等の担保権の設定されている不動産に対し担保権者が裁判所に対して競売を申し立てる必要があります。任意売却と比較して強制的に行われる売却のため、強制競売ともいいます。競売開始の決定が裁判所によってなされた場合でも、入札が行われるまでは任意売却に移行することも可能です。

督促状(とくそくじょう)

督促状は2種類あり、債権者(金融機関等)から債務者に送られてくるものと裁判所から送られてくるものとあります。金融機関等から送られてくる督促は借金の返済を請求する内容になっており、「〇月〇日までに○○円を入金してください」など、支払い期日と入金されていなかった金額等が明示されています。
裁判所からの督促状の内容も借金の返済を請求するものとなっておりますが、裁判所から送られてくる督促状は訴状や支払い督促申立書です。債権者が通常の裁判を起こした場合には訴状、支払い督促の申し立てをした場合には支払い督促申立書が送られてきます。

催告書(さいこくしょ)

債権者(金融機関等)から送られてくる督促状より少し強い性質の請求書です。内容は督促状同様借金の返済の請求ですが、法的措置に出ることも辞さないといった内容が付加されているケースが一般的です。催告書は債権の消滅時効を停止させるための手段の一つとして内容証明郵便で送られます。時効を停止させるには請求が確実に相手方に到達していなければなりませんので、「受け取っていない」としらを切られないように到達が証明できるようにしなければならないのです。(ここでいう時効とは債権の消滅時効のことで、請求(催告書の到達)をせずに債権を放置しておきますと消滅時効により債権自体がなくなってしまうという制度のことです)

債権(さいけん)

例えば住宅ローンなどで金融機関からお金を借りた場合に金融機関が持つ、お金を返してもらう権利を債権といいます。金融機関は住宅ローンの場合、債務者の返済が困難になった場合の債権の保全措置として、そのローンの目的である不動産を売却して優先的に返済を受けることができる抵当権等の担保権を設定して融資するのが一般的です。(有担保債権)また、任意売却で売却後に残る残債務については担保のない債権となります。(無担保債権)

債権者(さいけんしゃ)

債権を持っている者のことです。任意売却では売却と担保権の抹消について「すべての債権者」の同意が必要とありますが、この場合の「すべての債権者」とは税金の滞納等があり、国税局や地方公共団体からの差押えなどがあった場合の国税局や地方公共団体、また、無担保債権者であっても競売の申し立て等で差押えをした者のことです。

債務整理(さいむせいり)

大きく分けて4種類あり、債務(借金)を減額するなどの救済措置のことです。任意整理・特定調停・個人民事再生・自己破産とあり、任意売却は任意整理のうちの一つです。

債務超過(さいむちょうか)

住宅ローンの場合、債務超過とは、自宅を売却しても債務(借金)が残ってしまう状態のことを指します。債務超過している場合は、所有不動産に時価以上の抵当権が設定されていることが多く、売却する際は任意売却となるケースが多いです。

差押え(さしおさえ)

借金の返済など債務の履行を行わない債務者に対して国家機関(裁判所)により強制的に債権の回収・換金を行うため債権者や国家機関が債務者に財産の処分を禁じること。

サービサー(さーびさー)

債権回収を行う法人で、営業を行うには法務大臣の許可が必要です。不良債権化した住宅ローンや不動産を担保にしているビジネスローンなどの債権を買い取り、債務者に対して支払いの督促や競売の申し立てなどを行います。

自己破産(じこはさん)

自己破産とは裁判所に自己破産を申し立て、免責許可をもらうことで税金等を除く借金をゼロにする手続きの事をいいます。換価できる財産は換価し、債務の返済に充てなくてはなりません。また、20万円を超える財産を所有したままの自己破産はできませんが、逆に20万円までは預貯金であっても手許に残すことができます。
自己破産ができるのは「支払い不能」という状態になった場合です。支払い不能は現在仕事がなく、今後も就職が難しいなど外形的に見て支払い能力がない状態をいいます。

任意整理(にんいせいり)

任意整理とは、債務整理の一種で例えば債権者と交渉して債務額全体を減らしたり、月々の返済額を減らすことで、現在の支払いよりも負担を軽くする手続きです。任意売却もこの任意整理のうちの一つで、私的整理ともいいます。公的機関(裁判所など)の関与はなく、弁護士が代理人として債権者・債務者の交渉などを行うのが一般的です。(任意売却においては不動産会社)

媒介契約(ばいかいけいやく)

不動産取引を不動産会社が仲介(=媒介)する場合において売主又は買主と結ぶ契約のことです。
媒介契約書には専属専任媒介、専任媒介、一般媒介があり、任意売却では主に専属専任媒介が利用されています。

専任媒介(せんにんばいかい)

媒介契約のうちの一類型で依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁止するものです。専任媒介契約が締結されると、依頼者は他の業者への依頼が禁止されますが、自らが買主を探すことは制限されません。契約期間は3か月を超えることができませんが、更新は可能です。この媒介契約では2週間に1回以上の業務処理報告をすること、媒介契約締結の日から7日以内に指定流通機構へ当該物件についての情報登録することが義務付けられています。
媒介契約の中では一般媒介と並んで良く使われる媒介契約ですが、自ら売主を探すことが可能なことから任意売却にはあまり使われません。

専属専任媒介(せんぞくせんにんばいかい)

媒介契約のうち、専任媒介契約に自己発見取引の禁止特約(依頼者は媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と売買または交換の契約を締結することができない)を付した契約です。この媒介契約は契約期間が3か月を超えることができず更新ができることについては専任媒介契約と同様ですが、報告義務は1週間に1回以上となり、媒介契約締結から5日以内に流通機構へ当該物件を登録しなければなりません。
任意売却においては取引の特殊性から専属専任媒介契約で契約を行うことが一般的です。

連帯保証(れんたいほしょう)

保証人が本来の債務者と連帯して債務を負担することで、書面による保証契約を締結することによって成立する保証人と債権者との契約です。住宅ローンでは夫が(主たる)債務者、妻が連帯保証人となっているケースもあります。通常の保証では、主たる債務者が債務の履行をしない場合、債権者である金融機関などが保証人に先に履行を請求したとしても保証人は催告の抗弁権(先に債務者に請求しろという権利)や検索の抗弁権(主たる債務者に弁済の資力があり、容易に執行できると証明したときはまずは主たる債務者の財産について執行すべきと主張できる権利)が認められていますが、連帯保証ではこれら抗弁権は認められておらず、主たる債務者と区別されることなく債務の履行をしなければなりません。

リースバック(りーすばっく)

現在住んでいる不動産を第三者に売却し、その買主を貸主として当該不動産を賃借する方法です。引越しをすることなく住み続けられるというメリットがあります。

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